連載『アレの名は』

連載『アレの名は』002:コンロについてる支えの金具【五徳】

アレの名は:コンロについてる支えの金具【五徳】

どうも、
火を見る横顔がサイコパス
と名高いmotoyamaです。

僕がサイコパスだなんて失礼な話ですが、
そんなことより、いいですよねぇ火って。
ロウソクでも焚火でもバーナーでもなんでも、
炎を眺めると心が落ち着きます。

火のある場所と関係あるっちゃあるのですが、
今回のテーマは
「コンロについてる支えの金具」

あなたの家の台所にもきっとあるはず。

そう、「五徳ゴトク」です。

「何をいまさら」感がオーバーフローしてますが、いいんですよ、そういう連載ですから。連載のタイトルを「なにをいまさら」にしようとしていたくらいですし…。

さて、
知ってる人は知っている、
知らない人は全く知らない…
日常的に目にしちゃいるけど、
じっさい名前はなんだっけ?

という五徳ですが、
なんで「五徳」という字なんでしょうね?
めっちゃ優秀ってか、万能っぽい字面しちゃってるじゃあないですか。

調べてみたら、
意外な由来があるとわかりました。

それと、驚きの使い道も。

もしあなたが、次のいずれかに当てはまるなら読んでいってください

損はさせませんが、得もさせませんよ

こんな人にオススメ

  • 五徳を知らない
  • 実は、家に台所がある
  • 台所に立ったことがある
  • 三度の飯より五徳が好き
  • 丑の刻参りの予定がある
  • マジ超ヒマでやる事ない

五徳とは

チャプター1:五徳とは

広辞苑によれば、

「炭火などの上に置き、鉄瓶などをかける三脚または四脚の輪形の器具。鉄または陶器製。上下逆に置くこともある」

広辞苑 第七版 - 五徳

とのこと。

ふむふむ。
五徳の形状と材質についてはわかった。
だが語源や由来はわからねえ

というか、逆さに置いても成立するのかよ
ははあ、さてはそのマルチさが名前の由来だな?

三徳包丁も「三つの用途」に使えるからだし。
ということは、五徳には「五つの用途」が…?

…と思いきや、ぜんぜん違った

五徳という名前の由来

チャプター2:五徳という名前の由来|茶室で生まれた逆さ読み

ざっくり端折って言うと、
もともと竈子(くどこ)と呼ばれ囲炉裏で使われていた器具だが、茶室の炉では上下逆向きに設置されたため、読み方も逆さになった」ということ。

「くどこ」を逆さで使ったから、
「ごとく」と呼ばれるようになった。
「五徳」は当て字。

そんなバカな!
茶人界隈の業界用語っぽいノリなのか!?
チャラい、チャラすぎるよ茶炉だけに!
当時の茶人は全員なぎらか?健一なのか!?
そいつはまったく乙だねぇ!

三徳包丁は三つの用途に使えるので「三徳」ですが、五徳には一つの徳しかありませんでした。当て字だけど。

まあ、ひっくり返しても使えるようなので、せいぜい「二徳」がいいところでしょう。

現代の五徳

チャプター3:現代の五徳|ひっくり返して使うなよ!

昔ながらの五徳には脚がついていますが、
現代の一般家庭で見かけるタイプの五徳には、脚が無いのがほとんどです。
ガスコンロに乗っかってるやつですね。
脚の代わりに、数本の爪がついてます。

ひっくり返したらダメなタイプの五徳

絶対にひっくり返してはいけない

この手の五徳は(当然ですけど)ひっくり返して使えません。

無理にひっくり返してライトオンファイアすると、大変な火事につながる恐れもあるのでやらないでください。絶対だめ。

五徳の意外な使い道

チャプター4:五徳の意外な使い道|午前2時の呪いのアイテム

実は、「丑の刻参り」で白装束のやつが頭に乗せてるのが「五徳」のようです。

丑の時参り|鳥山石燕『今昔画図続百鬼』

丑の時参り|鳥山石燕『今昔画図続百鬼』 五徳(鉄輪)を頭に乗せた丑三つマイラー

丑の刻参りのような、呪詛に用いられる道具としては「鉄輪かなわ」と呼ばれているみたいですね。

丑の刻参りをする予定があるかたは、楽天とかで五徳買えば完璧ですよ。

おわりに

チャプター5:五徳のまとめ|五徳は当て字/もともとは竈子(くどこ)/竈子を逆さに使ったので読みも逆さに/丑の刻参りで頭に乗せるやつ

さてさて、五徳についてザザっと見てきましたが、おさらいです。

  • 五徳は当て字
  • もともとは竈子(くどこ)
  • 竈子を逆さに使い始め、読み方も逆さに
  • 丑の刻参りで頭に乗せてるやつ

名前の由来も意外でしたが、まさか丑の刻参りで使われる呪いのアイテムだとはね。
古い五徳にロウソクさすならまあ、おどろおどろしさも演出できそうですが、ガスコンロ用の五徳だったらと想像すると滑稽です。呪力もきっと半減ですね。

以上!

編集後記

五徳という名称そのものは知っていたものの、その語源がまさか「竈子くどこの逆さ読み」だとはゆめ知らず。広辞苑にも語源までは載ってませんでした。

というか「竈子」がそもそも載ってないじゃないか。知らんよ竈子なんて。「『広辞苑によれば…』なんて頭の良さそうな書き出しを使ってみたい」というだけの頭の悪い欲求で、わざわざこんな分厚い本買うんやなかった。ケツをふく紙にもなりゃしねえ。

あとこれも単なる個人的欲求ですが、時には囲炉裏を囲みながら、だべったりぼんやりしたりするだけの夜を過ごしたいですね。古民家に憧れます。

僕は社会のレールを踏み外しているので住宅ローンなんか通りませんし申請するのも恐れ多いのですが、ワンチャン家を建てられるなら、囲炉裏のある家をぶっ建てたいと思っています。

囲炉裏でいろんな物を炙ってみたいですよ。

いいですよねぇ、火って

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motoyama

ボンバザル世代。小2の頃の行動指針に「手洗い・うがい・ボンバザル」を掲げるほど熱中したが、カートリッジが黄ばんできたのが嫌になって辞めた。以降は「がんばれゴエモン~ゆき姫救出絵巻~世代」を名乗る。

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