連載『アレの名は』番外編

「NUIES」に激震走る…!

予想はしていた。いや、ある意味知っていた。
すでに誰かがやっていることを

アレの名は」なんて気の利いた風のタイトルをつけたつもりでいたこの連載(※)、僕が思いつくのだから、もう既に誰かがやっていてもおかしくはない。実際、それっぽいサイトもチラリと見かけた。でも、すぐにブラウザを閉じた。見ないようにしていた。被りたくなかった。被っているとしても、それを認めたくなかった。自分に見えている狭い狭い景色の中で、オンリーワンでありたかった…

※この時点で既に『君の名は』のパクりである。

しかし、ある日何気なく立ち寄ったBOOKOFFで、目の当たりにしてしまった。
気になる「アレの名前」を、誰かが、既に…本にしていた


誰かって、かの「MJ」ですよ。

MJ」と言えば、思い浮かぶのは一人しかいませんよね

そう、「MJ」=「みうらじゅん」氏です。
そのMJことみうらじゅん氏の監修による、『アレの名前大百科』という立派な本を見つけてしまいました。定価1,200円(税別)。

この本には、「街で見かけるアレの名前」や「世界の国からアレの名前」など、いくつかのジャンルごとに計106個の「アレ」が掲載されています。

帯に記載されていますが、MJ氏は106個中93個知らなかったご様子。言うほど僕は彼をよく知りませんが(博識そうな印象はありますが)、彼をもってしてこの正解数とは、掲載されている「アレ」はかなりマニアックだと言えそうです。

読んでみると、ふむふむ、なァーる、アレはそういう名前なのか…と、知らないアレが多く掲載されていました。もちろん、それらの「アレ」を製造するとか、販売するとかいう業界にある人にとっては、「ッたりめぇよ、知らねぇと仕事になんねぇよ」というものかもしれません。

この世は知らないことが99%

しかしながら、僕のような凡夫にとってみれば、まこと知らぬものの宝庫でございます。ページをめくるたび、「姿かたちは見たことあれど、よく考えたら名前をしらなかったアレやコレやの記憶」に、どんどん名前が与えられていく体験は感無量の一言です。

この連載をやろうと思ったくらいですから、もちろん知っているものも多かったのですが。やはり凡人ひとりの知識量などたかが知れているもので、「この世は知らないことが99%で出来ている」という認識を強くしたのでした。

好奇心はある程度満たされたのですが、「この本がありながら、それでもこの連載を続ける意味」など無いのでは…という思いも湧いてきます。幸いにして、これまで執筆したものと本の内容とに「カブり」は無かったのですが。

ただまあ、この本にあるもの以外にも無数の「名前を知らないアレ」があることも明白です。この本の存在を知った直後は3ヵ月ほど寝込むほどのメンタルダメージを受けましたが、なるべく本と被らないように、題材を見つけて続けていくとしましょうか。

最後に、自らの自尊心を満足させるせめてもの抵抗として、僕の正解数はMJのそれをはるかに上回っていたことを添えておきます

p.s.
なんかしらんけど「コレって何だっけ?」とかいうスマホアプリもあるようです。にぎわってんな、アレの名は業界!