つい先日、小島秀夫率いるコジマプロダクションの記念すべきデビュー作「デス・ストランディング」が発売となった。
皆はプレイしただろうか。私はもちろんプレイしたしクリアしたし、トロコンした。
そして改めて確信した。
小島秀夫は神。
コ ジ マ カ ミ ナ ン デ ス
『 K O J I M A I S G O D 』だと。
少々大げさに思うかもしれないが、現在日本は愚か、世界をみても小島秀夫に匹敵するクラスのクリエイターはいないだろう。
クリエイターには企業の利益優先プロデューサータイプと、面白さを追求するディレクタータイプがいると勝手に思っているが、監督はディレクタータイプをとことん異常なまでに突き詰めている。
ちなみに個人的にプロデューサータイプの彼らが目立つゲームは好きではない。
企業の事を考えてのことだろうから仕方ないとも理解できるが、妥協している部分、時短している部分、ユーザー度外視で開発フレンドリーな部分が多すぎるから。
動画から抜粋(2:43~)
やっぱ関わり方の密度が違うだろうねきっと、凄いエネルギーだと思う
冗談じゃなくて寿命縮むからね
小島くんの見てると明らかに寿命と魂を削って創ってる
映画監督の押井守は秀夫の新作「デス・ストランディング」を見てこう語った。
モノをつくるという行為にはとてつもないパワー、エネルギーが必要だということは、0から何かをつくりあげた者であれば誰しも痛感する事だ。
命削って作ってきたんでね
監督自身もこういっている。
監督の作り込みは異常だ。それはもうくどいくらいである。
世界をいちから作り込むその熱量に幾度となく圧巻させられてきた。
だからこそ作品の中の架空の世界に説得力が生まれる。
キャラクターの行き方、考え方に共感出来る。
加えて秀夫作品の醍醐味ともいえるのがシュールなギャグやセクシー要素を含めた謎のこだわりである。
デス・ストランディングだけでなく、過去の作品においても凝り性の小島監督特有のこだわりがゲーム全体を通して丁寧に散りばめられていた。
ファンである私はそのこだわりを感じるたびに喜びを感じる。生きる実感を得られる。
ユーザーを喜ばしたい、わくわくさせたいという無邪気で純粋なつくり手としての想いがプレイを通して確かに伝わるのだ。
このインタビュー動画では全編通して押井氏がヒデオをべた褒めしている。
ただ、残念なことにプレイ自体はしていないように見える。実際プレイしてどう思うかはわからない。
もしエアプだったのであれば是非ともプレイした感想も聞きたいものだ。
手放しに褒められないところもボロボロある。特にあのビーチで延々と走らされる終盤のあれ。あれをどう思うか聞きたい。
あれはアメリのビーチで一人絶滅を待つという気持ちを味わう意図があるという話があるが、正直そんなものは不要である。
ゲームのテンポを著しく残ってまで行うことではない。
話は変わるが、小島秀夫を語る上で避けて通れないのがKONAMI(コナミ)との確執であろう。
私は秀夫のいちファンとして、いち狂信者として当時はコナミを呪ったものだ。
何故秀夫を貶し、のけものにし、隔離し、汚名を被せて追い出したのか。
秀夫一人の手柄ではないことは理解できるし、実際のところどんなやり取りがあったかは分からないが、だからといってあんまりな仕打ちに思えたからだ。
だが、今はそんなコナミを未だに恨みながらも、一方で感謝している。
小島秀夫のメタルギアは傑作であり、監督自身のメタルギアの続編が見られなくなったのはとても残念だ。
だが、反面秀夫はメタルギアの続編を望むユーザーの声に囚われていた。
傑作であるが故に続編を望む声があまりに多すぎたのだ。
実際に秀夫は過去のインタビューなどでメタルギアを終わらせたい素振りをみせていた。
今回でメタルギアは終わりだと毎回言ってた気がする。
しかし、ユーザーに期待されてしまっては創ってあげたいとなるのが秀夫なのだ。
あのままコナミにいては、メタルギア以外の小島秀夫の作品(ZOE等の過去作は除く)をみることは出来なかったかもしれない。
こうして新生「コジマプロダクション」が、「デス・ストランディング」が日の目を浴びたのはコナミから、メタルギアから開放されて自由になったからに他ならない。
ありがとうコナミ。そしてさようなら。
とはいったものの、メタルギアの続きも秀夫が関わっていないとはいえそれはそれで気になるのがファンというもの。狂信者ゲーマーの悲しい性である。
コナミには一生メタルギアの続編を細々とつくっていくことを許可しよう。
サヴァイブもストーリーだけは面白かった。
思い返せばMPOも好きだった。ジーンの演説は未だに言える。
小島監督にはこれからも新しい遊びを提供してもらいたい。
デスストは素晴らしいゲームではあったが、綺麗に終わっているし続編よりは完全新作を希望する。
ひとつのゲームに留まらせておくにはあまりにも勿体ない才能。世界の秀夫。
その才能は全世界の人々を喜ばせるために発揮するべきである。
これからも秀夫の活躍から目を離せない。
死ぬまでずっとついていきます監督。