「機動戦士Zガンダム」の主人公『カミーユ・ビダン』
ガンダムに詳しくない人でもアムロとシャアの次に知っている人は多いかも知れない有名キャラクター。
宇宙世紀史上最高のニュータイプ能力を持っているとされており、ハゲ富野監督も最高のニュータイプと評しているほどの強キャラです。
そんな強キャラがシリーズにいつまでも残っていると邪魔にしかならないわけで、Zガンダムの最終話では悲惨な結末を迎えます。
後々映画で救われる事になりましたが、アニメ版の最後も好きなのでどちらも選べない。
カミーユはガンダムシリーズで個人的に一番好きなキャラクターです。
スパロボでガンダムにハマったとき、まだ見てなかった初代と共に知り合いからDVDを借りて一気見しました。
昔のアニメだからと舐めていたのですが、ガンダムもZガンダムも非情に良く出来ていて最後まで楽しめる作品でしたね。
今のアニメのように過剰な演出や豪華なCGなどはなく、安易なエロ要素もありません。
お話は淡々と進みます。そこがいいのかもしれません。
カミーユは初代のアムロと違ってかなり破天荒なキャラクターです。
最初にガンダムに乗り込んだときなんて、笑いながらムカつく軍人を踏み潰そうとして喜ぶ暗黒面を早々に見せつけます。
感受性豊かで優しい一面も多いのですけど、その後も短気で喧嘩っ早いところはあまりかわりません。
しかし、ピンチになっても天才的な発想や類まれなニュータイプ能力によって敵を圧倒するさまは普通に格好良いから困ります。
富野節絶好調なセリフ群もこの作品の魅力です。
特に、アニメ終盤のジ・O(ジオ)を駆る「パプテマス・シロッコ」との対峙シーンは今見ても堪らない。
あそこの場面で流れるBGM「宇宙を駆ける~ゼータの発動~」は最高です!
次いでヤザン戦でしょうか…ここは本当に迷いますが、自分の中では最終話のシロッコ戦がナンバーワン。
好きすぎる名シーンという事で勝手に書き起こしておきます。
カミーユ:シロッコ…どこだ?
(相まみえる二人)
カミーユ:お前だ!いつもいつも脇から見ているだけで人を弄んで!
シロッコ:勝てると思うな…小僧おおおおおおおおお!!!!!
カミーユ:許せないんだ…俺の命に変えても…身体に変えてもこいつだけは!
シロッコ:こいつ…なんだ…!?
カミーユ:分かるはずだ…こういう奴は生かしておいちゃいけないって!
カミーユ:分かるはずだ…み、みんな…皆にはわかるはずだ!(死んだはずの仲間たちの思念体が現れる)
エマ:焦りすぎよ。だからいけないの。
ライラ:パワーがダンチなんだよ。そん時はどうした方がいい?(うまく聞き取れない)
(武器を捨て、仲間の想いを受け取り力を増すZ)
カミーユ:俺の身体をみんなに貸すぞ!
エマ:それでいい。カミーユ。
カツ:現実の世界での生き死ににこだわるから、ひとつのことにこだわるんだ。
(Zの行く手を阻むサラの思念体)
サラ:ダメよ!
カミーユ:まだそんな事を言う!
レコア:サラ!おどき!
ロザミア:そう!子供には分からないんだから!
フォウ:今はカミーユに任せるの。
サラ:嫌です、パプティマス様は…
カミーユ:今日という刻(とき)には、いてはならない男だ!分かってくれ、サラ!
サラ:ダメです!パプティマス様は、私の…
カツ:なんでそう…頭だけで考えて…そんなんじゃ…疲れるばかりじゃないか…サラ。
サラ:だって…そうしないと…私…
カツ:カミーユが見ているものを見てごらんよ。あの中にいる人だって、すぐこうして解け合えるさ。
(ジオを見る二人)
サラ:本当?
カツ:ああ。
シロッコ:ゼ、ゼーターが…どうしたんだ?
(謎の思念体の力を集めるZを見て驚くシロッコ)
シロッコ:私の知らない武器が内蔵されているのか!?
カミーユ:分かるまい…戦争を遊びにしているシロッコには!この俺の身体を通して出る力が!
シロッコ:身体を通して出る力…?そんなものが、モビルスーツを倒せるものか!
カミーユ:なにっ!?
フォウ:カミーユはその力を表現してくれるマシーンに乗っている。
ロザミア:Zガンダムにね。
シロッコ:女の声?
カミーユ:まだ、抵抗するのなら!
カミーユ:うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!
(ウェイブライダーに変形して突撃するZ)
シロッコ:ジオ!?動け!何故動かん!?
(ウェイブライダーがジオを貫通してシロッコに突き刺さる)
シロッコ:ううっ!?うおっ!うああああああっ!!!!!
カミーユ:ここからいなくなれーーーーっ!!!
シロッコ:私だけが…死ぬわけがない…貴様の心も、一緒に連れていく…カミーユ・ビダン…!
(青白い光に覆われるシロッコ。光はウェイブライダーを通してカミーユに向かっていく)
カミーユ:シ、シロッコ…やったのか!?
(青白い光に包まれるカミーユ)
カミーユ:あ、あぁ…光が…広がっていく…?
(爆散するジオ。Zは離脱する)
ファ:カミーユ…
ファ:カミーユ!生きてるんでしょ!?カミーユ!返事をして!カミーユ!
(ファはコクピットのモニターでカミーユの生死を確認する)
カミーユ:…あっ?大きな星がついたり消えたりしている…
カミーユ:あははっ…大きい!彗星かな?…いや、違う、違うな。彗星はもっと…バァーッて動くもんな。(絶句するファ)
カミーユ:暑っ苦しいなぁ、ここ。う~ん…出られないのかな?…おーい、出して下さいよ、ねえ!
ファ:…か、艦長…ブライト艦長…カミーユ・ビダンが…聞こえますか…アーガマ…
(大破したエマのガンダムマーク2を見つける)
ファ:そう…お前もアーガマに還りたいのね…
(ファはアーガマに帰投する)
(大破した百式が横切る)
~fin~
死んでいったかつての仲間たちの声に導かれてウェイブ・ライダー突撃をかますカミーユ。
どいつもこいつも女ばかりです。若手のエースパイロットなので当然といえば当然かもしれません。
女と言えばウッソもだいぶ侍らせていましたが、私はカミーユに侍りますよ。
ニュータイプならではの不思議なやり取りは最後まで必見です。
精神崩壊おこしたあたりから流れる「終結-水の星へ愛をこめて-」がまた泣けます。
途中にはいる「ペン…ポン…」的な物哀しい謎の音も良い。よくしらんけど良い。
これまで幾度となく辛い経験を経て、挫折しそうになりながらもがむしゃらに戦ってきたカミーユ。
感受性が強くて純粋故にちょっとしたことで傷つき、怒り、ニュータイプの力も増すばかりで戸惑っていました。
大勢の仲間の死、大勢の想いをその身に受け止め精神は限界まで疲弊していたのでしょう。
そんな状態でシロッコのドス黒い執念まで受け止めてしまいうのですから、壊れてしまうのは必然でした。
皮肉にも、彼はこれでようやく休むことが出来たのです。ZZや劇場版で救われて良かったよ。
こうして振り返ってるとまた1から見直したくなるんだよなぁ。